3歳の頃、親にゲームボーイを与えられた。ビデオゲームとの最初の出会い。
物心ついた時から、生活の傍らには常にゲームがあった。人生のほとんどをその虜として生きてきたように思う。
中学生でBASICやHSPに触れ、稚拙なゲームを作っては自己満足に浸っていた。完成品はわずかだった(しかもあまりにショボい)が、それらは確かに創造の原点だった。
やがてUnityのような強力なゲームエンジンが個人の手に届く時代が来た。専門教育を受けていない自分でも、仕事の合間に独学を重ね、作品を形にできるようになった。
そんな時代の追い風を受け、まずスマートフォンでいくつかの作品を濫造し、公開した。そのほとんどは「創造的な悪ふざけ」とも呼べるものだったが、自分の創造が誰かに届くという事実は、確かな手応えを与えてくれたように思う。
そして数年前。活動の場を、もっと主要なビデオゲームのマーケットであるSteamへ移した。自分の作るものが世界へ浸透していく感覚が得られた。
それでも、心のどこかには常に「コンシューマーゲーム」という舞台への憧れがあった。幼い頃から、それは身近な存在であると同時に、ずっと明確な目標だった。
その念願がついに叶う。Nintendo Switchで自作のゲームが販売される。
物理的なカートリッジではない。それでも、自分が慣れ親しんだあのゲームボーイの直系と言えるプラットフォームで自分の作ったものが動く。
小さな作品ではあるが、人生における本懐の一つが達成される。

